女性の4.5% 男性の7%に心房細動合併
70歳以上は レートコントロールでよい 安静時110未満でよい 目標心拍数を下げすぎると併用薬剤が増え、運動耐用能が低下。使う薬は ジギ少量 Caアンタゴニスト(CCB) BB 運動に対する心拍応答が下がり耐用能が増える 腎機能低下はジギ中注意 BB メインテート2.5mg-1.25mg 高齢者のリズムコントロール 動悸の症状が強かったりやAFが心不全の原因と考えられるときは積極的にリズムコントロール。薬剤代謝低下のため抗不整脈剤は少量 サンリズム50-75mg シベノール100mg錠を使わず、50mg錠で100mg-150mg アブレーションも年齢にかかわらず積極的適応。シベノール錠適正量TDM推定サービス HPあり
アブレーション 75歳以上が20% 中央値は68歳 75歳未満と成績変わらず 副作用として横隔膜神経麻痺や胃の迷走神経麻痺がある 腎機能悪くても造影剤使用せず可能 PT-INR 85歳以上は2.6まで 85歳までは3未満 PCI一年後には抗凝固剤単独でも可
左房の大きさは左房のリモデリングの進展、線維化の進展の代理指標 洞調律を維持できる可能性は左房系が大きくなるほど低下する (50mlで拡大ありとしている例示あり)
年齢制限は 発作型なら85歳まで大丈夫、長期持続性は70歳くらいまで 持続性Afはその中間といったところ 発作性は一度のアブレーションで完了することが多く、比較的高齢であっても適応 長期持続は再アブレーションを必要とするので初回年齢は 70歳くらいまで 肺静脈隔離 PVI
負担の少ないクライオアブレーション→再発→ 高周波アブレーション
再アブレーションでは 拡大PVI 肺静脈前庭部を含む広範囲を隔離、引き続き、連続分断電位を指標として線状アブレーション(器質アブレーション)を 左房天蓋部、後壁、下壁に行い、僧帽弁を旋回する心房頻拍に移行したため、僧帽弁輪に線状焼却を施し、頻拍は停止の例あり
高齢者のフレイル 青信号で横断歩道渡れ、認知機能が保たれていればフレイルではないと考え積極的に抗凝固療法。年齢は不問。日常生活で介助が必要になってきたら、中止や減量も考慮 転倒リスク、認知機能、腎機能、家族の意向など総合的に判断 Clinical Frail Scale 3-7。梗塞リスクも出血リスクも高い。
徐脈性心房細動にシロスタゾール
徐脈性心房細動に対しては,主にβ刺激薬や 硫酸アトロピンなどの自律神経を介し心拍増加作用を 持つ薬剤が用いられてきた.それらの持つ副作用や効 果の持続時間の短さなどから長期の適切な心拍数のコ ントロールは難しく,またジギタリスなどの薬剤は徐 脈を助長させることから薬物のみの治療は困難で,最 終的にはペースメーカー治療に頼らざるをえない状況 であった.徐脈性心房細動の徐脈は房室結節の伝導障 害が原因と考えられており,失 神などを伴い,ペースメーカー植え込みを必要とし, かつ刺激伝導系を検索しえた徐脈性心房細動患者4例 中3例において,房室結節アプローチ部および房室結 節自体の病変が,心房細動時の心房から心室への伝導 障害に関与していたと報告している. 本研究では,シロスタゾールの投与により心拍数の 増加を認めたが,血圧の有意な低下は認められず,血 管拡張作用による反応性交感神経緊張による二次的な 頻脈は考えにくく,房室結節の伝導性が改善したものと考えられた.その機序として,心筋シンチグラ フィーにより心/縦隔比や洗い出し率の改善の認めら れた例があることから,冠血流が増加し,房室結節動 脈の血流が増加したことや,シロスタゾールの房室 結節に対する直接作用が考えられた.房室結節の活動 電位では,内向きのNa+電流が無視できるほど小さく, 活動電位は緩徐内向き電流(Ca2+電流)によって,開 始・維持されている.シロスタゾールの投与により, 房室結節内のサイクリックAMP濃度が増加し,結節 内のCa2+濃度が上昇すると考えられ,それによる緩 徐内向き電流の増加が徐脈の改善に関与していると推 測されるが,詳しい検討はなされていない. また,シロスタゾールは心筋細胞内においても PDE-Ⅲの阻害作用によりサイクリックAMPを増加さ せ,陽性変時作用や陽性変力作用を介した心不全症 状の改善が期待される.今回の症例においても心エ コー図法,胸部X線写真,体液性因子の改善が認めら れた.しかしながら,PDE-Ⅲ阻害薬の心機能に及ぼ す長期的な影響に関しては議論のあるところである. PDE-Ⅲ阻害薬は,サイクリックAMPを介して強心作 用を発揮するとともに血管平滑筋を弛緩させるので, 血管拡張性の強心薬として期待され,重症心不全の急 性期治療に関して劇的な効果をもたらした10).その後, 長期投与で基礎疾患の進行を加速するという副作用が 問題となり,心筋虚血の増悪,致死的不整脈の誘発な どの副作用の出現から,PDE-Ⅲ阻害薬のアムリノン は慢性心不全の臨床治験から脱落した.同様にミル リノンやピロキシモン(piroximone)の長期投与は不満 足な結果に終わったが,一方,経口強心薬のピモ ベンダンには,PDE-Ⅲ阻害作用に加えて,心筋収縮 蛋白のCaイオンに対する感受性を増強させるという 作用があり,6ヵ月間の長期投与において患者の身体 活動指数を有意に改善したという報告もある.強心 薬が心不全を増悪させる原因として,心拍数の増加に よる収縮性の低下も考えられており,ピモベンダンに は心拍増加作用がみられないとの特長があり,長期投 与の有効性はこの点によるところが大きいと考えられ る.シロスタゾールもPDE-Ⅲ阻害薬であり,長期予 後が問題となるが,今回の報告では6ヵ月の期間にお いては,心機能が低下したり体液性因子の増加した症 例は認められず,また効果の減弱もみられていない. 今回の対象例は徐脈による症状が主なので,PDE-Ⅲ 阻害薬も対象を選べば,長期的にも有効なことが示唆 された.また,経過中シロスタゾールの副作用による と思われる脱落例も認めず,出血傾向なども認めな かったことから,徐脈性心房細動の治療に対する新し いストラテジーとなる可能性が示唆された 。