褥瘡

閉鎖性ドレッシング材を用いた褥瘡軟膏療法にはクリーム剤の使用が勧められ、処方箋で出せるクリーム剤のオルセノン軟膏 リフラップシート(2021年3月で発売中止) で創傷被覆材に近い肉芽増殖作用と表皮化促進作用が期待できる。
オルセノン軟膏やリフラップシートもクリーム剤で、油性成分と水溶性成分が混ざり合ったエマルションです。クリーム剤は水溶性軟膏の水分を吸収する作用と、油性軟膏の滲出液を創面に留め湿潤環境を維持する作用の両方の性質を持っています。創傷治癒において、過剰な滲出液を吸収することと、同時に創面の乾燥を予防し湿潤環境を維持することが望まれます。オルセノン軟膏もリフラップシートも壊死組織が無くなり肉芽組織で創面が被われた状態の褥創に使用します。ただし滲出液の吸収は強力ではありません。

オルセノン軟膏の使い方 
  肉芽で被われた褥創に対し、創傷被覆材のハイドロコロイドドレッシング材やアルギネートドレッシング材を使用したものの、3週間の保険請求可能期間が過ぎると軟膏を使わざるをえなくなります。この様な褥創では、まだ滲出液が多くみられますが、上記二つの創傷被覆材のかわりをする薬剤として、第一選択はオルセノン軟膏です。オルセノン軟膏を創面に多めに用い、直接フィルム材で密閉固定します。ドレッシング交換は1日1回行います。オルセノン軟膏には創傷被覆材のような使用期間の制限はありません。また、処方箋でいくらでも出すことができますから、在宅で訪問看護師や家族に処置をしてもらう場合も問題なく行える利点があります。
  オルセノン軟膏を塗布しフィルム材で密閉すると、やがて圧迫と滲出液によってフィルム材のわきから溶けた軟膏が漏れ出てきます。この漏れは、仙骨部であれば普通に使っているオムツで受ければよく、大転子部や踵部などでは尿取りパッドなどの吸収パッドをあてて受け止めます。ドレッシング交換時には、これら吸収パッドで洗浄液を受けるようにし、そのまま廃棄します。
  なお、オルセノン軟膏を使う肉芽増殖期には、bFGFというグロースファクター製剤であるフィブラストスプレーを併用すると、肉芽増殖をより早める効果が期待できます。使い方は、まず創面を生理的食塩水で十分洗浄後、フィブラストスプレーを噴霧しオルセノン軟膏をたっぷりと塗布した後、フィルム材で密閉固定します。

クリーム剤がなぜ褥創に適した軟膏なのか?
  褥創には圧迫が常に加わっており、またズレや摩擦といった外部からの物理的刺激が治療中も避けえない創傷です。さらに創周囲からの便や尿による汚染の危険が高い創傷でもあります。したがって、ドレッシング材に求められるのは、ズレに強く、厚みが少なく、かつ汚染をブロックするドレッシング材です。このようなものは閉鎖性ドレッシング法しかありません。薬剤を併用する閉鎖性ドレッシング法では、最後にフィルム材で密閉固定します。この場合油性軟膏では軟膏が創周囲に広がりフィルム材の貼付部まで来てしまいます。油性軟膏が付いた部位にはフィルム材は固着しないため、油性軟膏は閉鎖性ドレッシング法による褥創治療には不向きです。
  この点、クリーム剤はたとえ油性軟膏の性質を持っていても、皮膚に残ったクリーム剤は拭きとったり洗浄することでほとんど除去できるとともに、その部位にフィルム材は問題なく固着するのです。したがって、閉鎖性ドレッシング法を用いた褥創軟膏療法にはクリーム剤の使用が勧められるのです。

浅い褥瘡dは創傷周囲に線維芽細胞が豊富に存在し、増殖因子によって線維芽細胞が活性化されると 組織欠損部位に遊走し、真皮の細胞外基質蛋白を産生する。ある程度 創傷欠損部が充填されると 傷収縮が起こり 傷面積は縮小し、さらに治癒は促進され、最終的に表皮角化細胞が表面を覆う 基本は 傷面の保護と適切な湿潤環境の保持で 線維芽細胞や血管内皮細胞の活性化を促すこと ドレッシング剤や 油脂性基剤の外用剤が適している ハイドロコロイド(デュオ) 外用は ジメチルイゾプロアズレン(アズノール)。 抗炎症作用は弱く むしろ基剤の白色ワセリンの傷面保護作法が主作用  亜鉛化軟膏は リント布に塗布された ボチシートもあり便利、水泡は還俗 水泡蓋を破らない 巨大なら 穿刺しsて内用液を除去する場合もある ゲンタマイシンは推奨できず ドレッシング剤では傷面保護を目的として ポリウレタンフィルムを用いる
ポリウレタンフィルム
ハイドロコロイド

深い褥瘡の外用
N→n
壊死組織除去作用の有するカデキソマー(カデックス軟膏) デキストラノアー(デブリサニペースト) デキストリンポリマーにより浸出液や細菌などを吸収して傷面を洗浄化 ブロメライン蛋白分解酵素を含有 スルファジアジン銀(ゲーベン)水分に富んだ基剤で乾固した壊死組織の軟化と融解を促す
外用 ハイドロジェル

G→g
トラフェルミン(FGF受容体) トレチノイントコフェリル(オルセノン軟膏)精製白糖 ブクラデシンナトリウム(アクトシン)

S→s創の縮小
トラフェルミン ブクラデシンナトリウム(アクトシン)  精製白糖

I→i 感染の制御
カデキソマー(カデックス軟膏)  スルファジアジン銀(ゲーベン) 精製白糖
明らかな感染、膿苔があるときは消毒、洗浄もよい
E→e
浸出液が多い時は 吸収作用のあるカデキソマー(カデックス軟膏) 精製白糖 
ドレッシング剤ではポリウレタンフォーム
浸出液が少ない時は水分を多く含む乳剤性基剤を用い、感染創ではスルファジアジン銀(ゲーベン)、非感染創では トレチノイントロフェリル(オルセノン軟膏)
ドレッシング剤ではハイドロコロイド

P→p
洗浄し、浸出液が多ければ精製白糖 少なければ トラフェルミン トレチノイントロフェリル(オルセノン軟膏)
ドレッシング剤では 湿潤ガーゼやジェル 親水性ファイバーをポケット内に充填