血液ガスの読み方の順
・ PH
・ Pco2 Hco3- BE
・ AG
・ 代償性は
・ 想定される原因疾患は
PH低いとアシデミア(<7.35) 低下傾向はアシドーシス Ac
PaCO2 は呼吸性因子(<35 呼吸性Al >45 呼吸性Alc) HCO3– は代謝性因子(<24代謝性Ac >24代謝性Al)
代謝性Ac と判断されたら、呼吸による代償性変化が予測内にあるか (代償性呼吸性 Al)、予測から大きくはずれていれば呼吸性 Ac の合併。高度のアシデミア<7.2では 代謝性Ac+呼吸性Acの合併も少なくない。
・呼吸性代償の目安は
予測△ PaCO2 (40と実測の差)=1.2×△ HCO3– (24と実測の差)となっているかみる。ほぼ=なら、代償機能が働いており、呼吸性 Ac の合併はないと考える。 ちなみに代謝性Alの場合は△ PaCO2 (40と実測の差)=0.7×△ HCO3–
・さらに簡略化すると単純性代謝性Acや 単純性代謝性 Alでは PaCO2 = HCO3– +15が目安。
HCO3– の低下は代謝性 Ac でも呼吸性 Ac の代償でもありえる。鑑別はBE 正なら塩基過剰(代謝性Al) 負なら塩基不足(代謝性Ac)。
代謝性Ac の症状
H+の上昇により、呼吸性代用による換気量の増加、アシドーシスにて伸筋へのCa+の流入が阻害され、心拍出量の低下、抹消循環不全、血圧低下、うっ血が起こる
代謝性Ac の原因、病態を探るにはまず1st AG=Na -(Cl+ HCO3– )AGは12±2が正常 低アルブミン血症があるときは補正値=AG計算値+2.5×(4-Alb)を使用 16を超えるのはケトン体、乳酸、硫酸苑、メタノール、エチレングリコール並びにサルチル酸の代謝産物が HCO3– を食っているときや尿毒症で陰イオンが増加したとき。AG増加の代謝性Acの代表は ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス、尿毒症性アシドーシス、ならびに薬剤。救急では検尿でケトン体、採血で乳酸、Cr、 ケトン体 薬剤やアル中の聴取。 2nd AG =Na -Cl <36ならAG正常代謝性Acの存在が確認される 遠位尿細管からの酸排泄障害
糖尿病性ケトアシドーシス
薬剤はSGLT2に注意、PHと血糖は相関せず、アシドーシスと脱水が本態。呼気のケトン臭、Kussmaul呼吸
慢性腎不全による尿毒症性アシドーシスの例
・ PH7.1
・ PaCO2 32.9 HCO3– 8.6 BE
・ AG 140-(115+8.6)=16
1st AG=Na -(Cl+ HCO3– )AGは12が正常 16を超えているので尿毒症で陰イオンが増加しているとわかる
2nd AG =Na -Cl =25 <正常36 ならAG正常代謝性Acの存在が確認される 遠位尿細管からの酸排泄障害
有機リン中毒による呼吸性アシドーシスの例
・ PH7.22
・ PaCO2 70 HCO3– 28 BE
・ AG 134-(120+27.9) -になる
・ 代償性は
呼吸性Ac 急性 HCO3– =0.1× PaCO2 +20
慢性 HCO3– =0.35× PaCO2 +10
呼吸性Al 急性 HCO3– =0.2× PaCO2 +16
慢性 HCO3– =0.5× PaCO2 +4
・ 想定される原因疾患は AGは陽性はあっても陰性はない。この症例の陰性は PAMのIを Clとして測定したことによる偽性高Cl値のため