急性肺血栓塞栓症 PTE
診断のカギはまず疑うこと 2017年ガイドラインでは
可能性が低、中等度ではまずDdimer 陰性ならDVT否定、陽性では画像。膝より近位の中枢型であれば抗凝固療法、遠位の末梢型であれば抗凝固療法は行わず、1-2週間後の超音波検査で 中枢側に伸びていないか経過観察を行うか、高リスク群ではXaテンa 抗凝固療法。可能性高度群ではまず造影CT。 肺動脈造影 経食道エコーも。
心電図は 右心負荷所見 V1のR/S>1 胸部誘導のT波陰性化、ⅡⅢaVfのP波 増高、V1のT波二相性、S1T3Q3 (Ⅰ誘導の深いS Ⅲ誘導のT波陰性と深いQ波)。心音Ⅱp亢進 narrowQRS(脚ブロックないのに)。 症状は呼吸困難、胸痛、失神 治療法は 危険因子が可逆的である場合は3か月間、誘因のない場合は少なくとも3か月間の抗凝固療法。担癌患者は再発リスクが3倍高く、治癒しない限りはより長期間の投与を行う。一方出血リスクは2-6倍に増えるため、出血リスクの有無や全身状態、がんの活動性、生命予後を踏まえて、抗凝固療法を行う。末梢DVTではエビデンス不十分で、画一的に抗凝固療法をしないこと、抗凝固療法を行う場合には3か月までとされた。誘因のないDVTで 抗凝固療法を希望しない場合、あるいは可能でない場合はアスピリンの投与を可とした。血栓溶解療法は、日本では末梢からのtPAのみ。下大静脈フィルターは抗凝固療法禁忌例に限り、また回収可能型下大静脈フィルターは早期に抜去を行うこと。弾性ストッキングの着用は 2009年ではクラスⅠの推奨→2017年では画一的に長期間継続的に着用させることは推奨しないとなった。夜は外して下肢挙上
ピル、リン脂質抗体、悪性腫瘍(再発率高い)、加齢、フレイルがリスク 血流(静脈うっ滞)、凝固能亢進、血管内皮障害(腹部の炎症の波及や血管内カテーテル)
ヒラメ筋のやせ、弁の痛みがあると筋があってもうっ滞しやすい フリーフロート血栓は静脈壁に付着せず飛びやすい 弁の機能低下でむくんでいる下肢と反対の下肢にDVTがあったりする。リンパ浮腫なら血栓がなく、10年前の子宮がんの既往などがあり、リンパマッサージに紹介 CTでRV/LVが0.9以上なら右室拡大。NTproBNP 600以上 PTEがあると頻脈必発
心停止・循環虚脱型
広範型 血行動態不安定
亜広範型 血行動態安定 エコーで右心負荷あり
非広範型 血行動態安定 右心負荷なし
死亡率15% 心原性ショック30%
少量利尿剤、DOACで貧血が進むことも。血栓と貧血のトレードオフ モバイル血栓でなければ外来でDOACのことも 3M継続が目安、早く溶けると1-2週間でなくなる。イグザレルトはたっぷり効かす 増量 肝排泄もあり、イグザレルト15mg×2を21日 そのあと15mg×1 3.6.12M エリキュース10mg×2七日間そのあと5mg×2回 6M ヘパリン→リクシアナ60mg 1.3.12M
癌の死因 進展、血栓塞栓症、感染症 Ddimer 器質化した血栓なら2-3 担癌のみでも上がる 20くらいはある 術後などを含まない精神科での身体拘束ではカットオフを3㎍とするという報告あり。
医誠会病院
CTEPH
器質化血栓により、肺動脈が狭窄、閉塞して肺血管抵抗が上昇 (mPAP25mmHg以上36以上なら予後不良)、PHをきたした状態。急性のPTEからの移行もあるが、その発症機序は不明、血管内皮障害によるものもある。指定難病の一つ。外科的治療(肺動脈内膜摘除術PEA)に加え、肺血管拡張薬リオシグアトやカテーテル治療BPA(バルーン拡張)の有効性が確立。万世紀の平均肺動脈圧 40mmHg以上 5年生存30% 50mmHg以上なら10%
慢性DVTに対してカテーテル治療で血栓吸引CVTも行われている
DVTの治療後血栓後遺症として静脈弁破壊に伴う痛み、疲労、色素沈着
PEに対する血栓溶解療法にカテーテルでの血栓破砕術ACHD、吸引術も加わる。破砕後後療法としてtPAとヘパリン持続
肺動脈造影PAG CETPHで適応
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がん関連血栓症
がん患者の4-8%
血管新生ぞが医薬の併用例に注意
出血リスク 彼岸患者に対し 6倍 予後とリスクベネフィットを天秤に
動脈血栓症も サイトカインからの血管内皮障害 転移にも関与
抗がん剤 プラチナ製剤 微小血管障害薬
分子標的 血管新生阻害薬 標的チロシンキナーゼ阻害剤 免疫調節薬
免疫療法
放射線療法
高VEGF薬 血管攣縮により投与直後に血圧上昇来す例あり、数か月で毛細血管の密度が希薄化し、血管希薄化で循環障害 蛋白尿 高血圧さらに長期で動脈硬化性変化 さらに長期で心血管疾患発症で 脳梗塞 心筋梗塞 PAD
がんと動脈硬化
チップCHIP血球クローン性造血が加齢とともに蓄積 高齢者のCHIPキャリアは10%以上 白血病リスク10倍 冠動脈疾患リスク2倍
遺伝、環境、生活習慣 エピジェネティック因子から酸化ストレス、炎症 アポトーシス、細胞増殖、血管新生でがんも動脈硬化も