糖尿病 内科学展望より

微小血管障害はHb

A1c7.0%以下では起こらない。
低血糖もダメ。長期で大血管疾患も起こる遺産効果といわれる。
高齢者でSU インスリンを使うときは緩め8.0以下とにかく低血糖回避
インクレチン 十二指腸 空腸はじめ
GLP-1 空腸末端 L細胞
心血管イベント DPP4は減らさず、GLP-1受容体作動薬とSGLT2は減らす

脂肪肝はどうして起こる?
インスリンは筋、肝、脂肪組織にブドウ糖を取り込む、肝臓での糖新生を抑制する。肝臓にとりこまれたブドウ糖はグリコーゲンとしては貯蔵され、余った分は中性脂肪に合成され沈着する。この脂肪合成が亢進した状態が脂肪肝を生む。脂肪組織にとりこまれたブドウ糖は、中性脂肪として貯蔵される。痩せる(脂肪が減る)とはこの脂肪組織の中性脂肪がFFAとグリセロールに分解されること。肝臓に送り込まれたFFAはケトン体、グリセロールは糖新生の材料になる。糖新生は糖以外から糖をつくること。

以下くにちか内科クリニックHPより抜粋

■インスリンと食事、炭水化物、糖質、ブドウ糖の関係

  • 食物中の炭水化物の成分である糖質は身体(細胞)でエネルギーとして使えるようブドウ糖という形に分解(消化)され、消化管(小腸)から吸収され血液中に流れこみ血糖値は上昇します。これを「食後高血糖」といいます。食後高血糖を膵臓が感知し膵臓のβ細胞からインスリンが分泌されます。これをインスリンの「追加分泌」といいます。
  • 追加分泌されたインスリンの作用により、ブドウ糖は肝臓や筋肉、脂肪組織などの細胞に取り込まれ、食事前の値まで血糖値が下がります。血糖値が下がってくるとインスリン分泌量も下がってきます。
  • しかし、インスリンは完全に出なくなるわけではなく、少量分泌され肝臓での糖新生が過剰にならないように調節しています。これをインスリンの「基礎分泌」といいます。

■肝臓、筋肉、脂肪組織でのブドウ糖の行方とインスリンの働き

追加分泌インスリンが促進するもの

  • 肝臓:肝細胞へのブドウ糖の取り込みとグリコーゲン産生。余ったブドウ糖は中性脂肪に合成される(この脂肪合成が進むと脂肪肝となる)
  • 筋肉:骨格筋へのブドウ糖の取り込みとグリコーゲン合成とピルビン酸産生
  • 脂肪組織:脂肪組織にブドウ糖の取り込みと中性脂肪合成

追加分泌インスリンが抑制するもの

  • 肝臓:グリコーゲンを分解してブドウ糖を産生
  • 筋肉:グリコーゲンを分解しG6-リン酸、ピルビン酸、乳酸に変換し肝臓での糖新生の原料とする
  • 脂肪組織:中性脂肪を分解してグリセロールと遊離脂肪酸(FFA)を産生する。それぞれは肝臓での糖新生とケトン体産生の原料とする

インスリンに依存しない反応

  • 脳(中枢神経系)へのブドウ糖の取り込みや心筋や内臓などの平滑筋へのブドウ糖の取り込み

■長期間の絶食状態での糖新生とケトン体産生

  • 絶食時は肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを分解してG6-Pからブドウ糖を作り全身に供給する。
  • 骨格筋のグリコーゲンは筋肉内でのみ利用される(G6-Pからブドウ糖に変換する酵素が骨格筋にはないため)。
  • 長時間の絶食または炭水化物を摂らないと肝臓のグリコーゲンは一晩で枯渇する。
  • すると、脂肪組織の中性脂肪がグリセロールと遊離脂肪酸に分解される(脂肪減少効果)。
  • グリセロールは肝臓でブドウ糖に変換(糖新生)され全身にエネルギー源として供給される。
  • 遊離脂肪酸は肝臓でケトン体に変換され、肝臓以外の臓器・組織で利用される。
  • 骨格筋のたんぱく質分解によるアミノ酸(アラニンなど)は肝臓でブドウ糖に変換(糖新生)される。

■アトキンス・ダイエット(スーパー糖質制限)を分かりやすく説明すると…

  • 炭水化物(糖質)を制限すると、エネルギー不足を補うために脂肪組織の中性脂肪が燃焼される。
  • 中性脂肪はグリセロールと遊離脂肪酸(FFA)に分解され肝臓に運ばれる。グリセロールはブドウ糖に変換される(糖新生)。FFAはケトン体に変換され長期絶食時や飢餓時のエネルギー源となる。肝臓はケトン体を利用できない。肝臓以外の脳(中枢神経系)や筋肉、心筋、血球などの臓器・組織はケトン体を利用できる。
  • 脂肪組織の中性脂肪のFFAが燃焼される状態はケトーシス・脂肪分解と呼ばれ「痩せる仕組み」である。
  • 美味しいものを満足するまで食べることができる。制限されるのは砂糖や米、小麦粉などの高炭水化物だけで、バターやクリームを使った肉・魚・卵料理は自由に食べることができる。
  • 脳がケトン体を主要なエネルギー源に切り替えると、「空腹感はなく」「多幸感」を感じるようになる。
  • 炭水化物摂取による食後高血糖と追加インスリンの過分泌が肥満の元。糖質制限ダイエットは食後の高血糖とインスリン過分泌を抑制することで肥満の元を断ち切ることができる。

くにちか先生はHPで エビデンスに基づく糖質制限食の効果を検証し、長期的視野にたつと勧められない。死亡率はあがるとしめ括っている。