痛みとしびれ

炎症などの侵害刺激は 末梢神経自由終末にある痛みの受容器から知覚神経に入り、後根から脊髄後角さらに反対側の側索にわたって上行し、視床から大脳皮質へ 
大脳の痛み関連領域が興奮すると中脳の神経核が興奮してそこから脊髄後角に向かって痛みを抑制する刺激を伝達する。これが下行疼痛抑制系でセロトニンとノルアドレナリンが担当する。カプサイシンは数少ない痛みの受容体。

痛いの痛いの飛んで行けの触刺激が下行性抑制系を刺激して痛みが和らぐ。
・知覚神経の修復作用 メコバラミン
・知覚神経の抑制 抗てんかん薬 カルバマゼピン
・脊髄後角 疼痛治療薬 (神経障害性疼痛、線維筋痛症) プレガバリン
     オピオイド系鎮痛薬 トラマゾール
・下行疼痛抑制系 オピオイド系 抗うつ薬 デュロキセチン 疼痛治療薬

慢性化しやすいタイプ
①運動恐怖
②痛みの破局的な思考 痛みがあるからできない 痛みがあるから何々してはいけない
③自分だけ痛い
急性疼痛の遷延化としての慢性疼痛の仕組み 
局所麻酔とステロイドでよい結果が得られることもよくある
痛みのある部位を動かすことで損傷部位が治癒しない
患部に浸出液がたまっていて炎症所見がずっとある
関節液が貯留して発痛物質が持続的に出る
血管新生による血流増加
昔はRAくらいといわれていたが・・MRIや血管造影で拘縮部位に炎症所見がみられることが多い。ステロイドと局所麻酔でよい結果が得られることもよくある。肩のインピンジメント症候群、強度の鍵盤断裂がかくれていることも
膝では関節の不安定性が痛みの悪化につながっていることも。背景として軟骨損傷や骨の変形が生じていることもあるが、拘縮と不安定性が関節痛の慢性化の大きな原因
関節包が持続的な痛み刺激をだすことも。 滑膜に炎症が起こると発痛物質を産生するので痛みが持続する危険性は高い
加齢により支持組織の滑膜や軟骨、周辺の靭帯損傷がおこりやすくなっている。
人工関節置換術 股関節>膝>肩の順に痛みの予後

神経障害性疼痛
解剖学的に妥当な痛みの範囲なのか
痛みの範囲の感覚が鈍くなっているとか 通常では痛みを引き起こさない刺激でもびりびり痛く感じる状態などのアロディニアなどの感覚所見を確認
客観的な診断によって神経のダメージが類推されるか

CRPS 複合性局所疼痛症候群 神経支配を超えて痛みが広がる場合は中枢領域での感受性の変化が起こっていいる可能性も
プレガバリン リリカ 自然な睡眠を誘導
ミロガバリン 眠気が少ない
ガバペンチン
糖尿病性ニューロパチー 手袋靴下型 + 体幹にも
化学療法 手袋靴下型 感覚麻痺も生じる オピオイド高用量または屯用で 抗がん剤を使う
脊椎転移 麻痺の場合は除圧固定術 長幹骨転移では切迫骨折のケースもあり、髄内釘の固定
急性帯状疱疹痛は侵害受容体性疼痛、帯状疱疹後神経痛は感覚神経がダメージを受けることによって生じる神経障害性疼痛が原因で二つは違う
SCS脊髄電気刺激療法 硬膜外腔にリードを留置して 微弱な電気刺激を加えて 疼痛部位の髄節後索刺激で痛みを緩和する

慢性疼痛のうち、抗うつ剤の適応となるものは
①神経障害性疼痛中枢性感作による疼痛
②うつ病による疼痛
③身体症状症による疼痛
③では
③の1 強迫性障害 病気不安症(心気症) にSSRIが有効
フルボキサミン<エスシタロプラム<パロキセチン
エスシタロプラム=レクサプロ 
セルトラニン=ジェイゾロフト
SNRI や三環性抗うつ剤TCAはSSRIよりも5-HTへの作用が弱いので×
ベンラファキシン=イフェクサーは5-HTへの作用が強いためOK
SSRIの効果発現を早く得るには 5-HT放出作用を持つミルタザピン(レメロン、リフレックス)の併用が有効
SSRI抵抗性の強迫障害に準じて向精神薬の併用が有効
③の2 不安・恐怖が強い場合は 
抗不安薬より向精神薬による鎮静が有効な場合がある
プレガバリンは不安・恐怖の中枢である扁桃体におけるグルタミン酸神経の過剰反応を抑制する
③の3 葛藤、怒りに漢方の鎮静作用 抑肝散
神経障害性疼痛中枢性感作 うつ病
TCA デュロキセチン  身体症状による疼痛はSSRIすべてにベンラファキシン
肩こり 頚椎症 葛根湯や桂枝茯苓丸などの駆瘀血剤 抗ストレス薬の柴胡剤
アロディニア 乾いて神経剝き出し滋潤剤 麦門湯、五味子、地黄 潤う作用