大動脈弁狭窄症

重症度はまずは圧格差 連続波ドップラーで大動脈弁最大血流速度 Vmax、最大圧格差4×Vmax2乗、平均圧格差mPGを求める。しかし一回拍出量SVのおちた症例では、大動脈弁を通過する血流量そのものが減るために、圧格差では過小評価される。よって大動脈弁の圧格差だけで重症度を把握するのは無理があり、弁口面積AVAも知りたいわけであるが、経胸壁心エコーでは1mのずれが大きく響きトレースでは限界がある。よって連続の式をもちいて算出する。左室流出路(弁輪部)の径CVAにパルスドップラーPWで弁輪部血流の面積VTI(左室流出路駆出血流速度パターンの時間積分値(LVOT-TVI cm))をかけて、LVOTを通過した一回拍出量を計算する。弁口部でも同じ量が通過することになるため、PWで大動脈弁駆出血流速度パターンの時間積分値(AV-TVI cm)を測定し、これで割ると弁口面積AVAが求められる。
AVA×(AV-TVI cm)=CVA×(LVOT-TVI cm)
SVのおちる病態として、EFが50%を切っている場合と、EFは保たれているが、左室が小さいためにSVが低下している奇異性定流量症ASがある。EFの低下しているものにも、真の重症ASか、中等症ASなのにSVが低下した状態では大動脈弁口が十分に開放しない偽性重症ASなのかを鑑別するためにドブタミン負荷でSVを20%以上増加させた状態でもAVAが1.0㎠を超えず、Vmax≧4.0/秒 またはmPG≧30~40mHgなら真の重症AS。AVAが1.0㎠を超える場合は偽性重症ASとされる。SVが20%を超えない場合は。収縮予備能の低下を意味し、鑑別が困難になる。


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