呼吸器診療

肺MAC症
血痰、空洞、病変が一側肺の1/3以上 のいずれかがあれば積極的治療を
それ以外で75歳以上なら無治療で経過観察を 中間はなやむ
診断は必ず痰や気管支洗浄液から菌体を証明することが必要 喀痰の塗抹染色で陽性(ただし常在菌であるため単なる定着菌ととの鑑別が必要になる) 同定検査としてキャピリアMAC抗体ELISAが保険収載されるが、感度は低いため 陰性でもないとは言えない 
標準治療は多剤併用 排菌陰性後1年まで 標準治療を行うか判断が難しいときのEM単独治療200mg錠3T分三はあり得る CAMは単独で使わないこと キードラッグ EMとの交差耐性はないとされている。

マクロライド少量投与を行うのはどんな時?
膿性痰や喀痰量の多い疾患
気管支拡張症、COPD、びまん性汎細気管支炎 DPB、慢性副鼻腔炎 、
SBS 副鼻腔気管支症候群(副鼻腔炎+気管支拡張症または気管支炎またはDPBが合併)慢性副鼻腔炎を合併した気管支喘息など
膿性痰が多い場合はレスピラトリーキノロンで減らしてからマクロライド少量投与でさらに痰量をへらすことも
増悪を繰り返すCOPDにも安定期長期管理薬にマクロライド少量療法を併用

気管支拡張症はどうする?
血痰・喀血では胸部CTで気管支拡張症を確定し、結核、非定型抗酸菌症、肺がんを除外。止血薬の点滴や内服 まれに大量喀血の際は気管支動脈造影して塞栓術
膿性痰や発熱があればレスピラトリーキノロン
喀痰量が多い場合や痰の切れの悪さが残る場合はマクロライド少量投与
クラリス200mg 2T朝夕 1か月後症状の改善を待って1Tに減量、喀痰が残る場合は半年目途に減量のまま継続 減量後喀痰症状が消失した場合は治療を中止。

増悪を繰り返すCOPDはどうする?
長時間作用性抗コリン剤、LABA、あるいは配合剤スピオルト、テオドールなどの気管支拡張薬がまず入っているか確認
喀痰が多い、キレが悪い場合は喀痰調整薬
増悪繰り返す場合や気管支ぜんそくの合併ではICSを追加
これらの長期管理薬でまだ増悪を繰り返す場合はマクロライド少量
膿性痰や発熱など細菌感染がある場合はレスピラトリーキノロン

副鼻腔炎合併例では
使用法は気管支拡張症やCOPDと同じ、喘息に合併した場合は、ICSなど気管支喘息の治療を並行して使用。