誤嚥性肺炎など口腔内細菌による感染症の予防にまずは重き、経口摂取が可能でないと退院後の行き先も限定されてします。そのため意識が回復したら早期に嚥下内視鏡検査を行うなとして、経口摂取が可能になるかどうか、時間はかかるのか、摂食嚥下に関する予後を評価する必要がある。
摂食嚥下リハビリ まずは呼吸訓練から 呼吸のコントロールができなければ、咀嚼や嚥下はままならない。
一定のリズムで呼吸ができるようになれば唾液嚥下の訓練。味覚刺激を与えて、唾液を分泌させ、飲み込む。つぎはいよいよ食物を使った摂食訓練。とろみをつえけた水からスタート ゼリーに変え、徐々に量を増やしてペースト食に移行させる。急性期病院では常食までいかずペースト食で退院する人が多く、転院先では本来であれば患者の回復状況に合わせて刻み食や軟菜食なと食形態を常食に近づけていくアプローチが求められるが、回復期病院でも食形態がそのまま堅持されていることが少なくない。診療情報の書き方にも注意。経口摂取のトレーニングを開始した、ゼリー食30g程度なら経口摂取可能、このままの状態が続けば食形態の変更可能 など現状だけでなく、今後の対応についても書き記す。
開口状態となってしまうこと、頚部の拘縮により頚部が進展していることで咽頭収縮減弱の原因と考えられます。現状では経口摂取は誤嚥のリスクが高いと判断し
記載例
摂食機能障害に関しまして、X年●月●日に初診で拝見し、口腔内診査並びに嚥下内視鏡検査を行いました。口腔内は清掃状態良好で、処置の必要な歯牙は認めませんでした。嚥下内視鏡検査では検査食として ポタージュとろみ付き水分、全粥、ペースト食、刻み食を用い、いずれの食材でも検査上誤嚥なく摂取可能であったため、その翌日の昼食より食事開始可能と判断しました。しかし体調の悪化に伴い、食事開始は中止し、口腔ケア並びに関節訓練(口腔周囲、頚部のマッサージ、ストレッチ、人工唾液を用いた嚥下訓練)を継続して参りました。その後、体調が安静し、覚醒状態に改善が見られたため、入院23日後に再度嚥下内視鏡検査を行ったところ。嚥下反射惹起は認められますが咽頭収縮が弱く、梨状窩にゼリーが残留しました。追加嚥下でも残留量は変わらず、喉頭侵入を認めたため、吸引し終了としました。嚥下関連筋の筋力低下や嚥下時に開口状態となってしまうこと、頚部の拘縮により頚部が進展していることが咽頭収縮減弱の原因と考えられます。現状では経口摂取は誤嚥のリスクが高いと判断し、口腔ケア並びに間接訓練を継続させていただきました。覚醒状態が良好の時は誤嚥なく咽頭通過が可能なので、今後体調や覚醒状態の改善、関節訓練による嚥下機能の向上が認められれば経口摂取の可能性もあるかと思われます。
Eilers OAG オーラルアセスメントガイド