レリジエント・ヘルスケア

失敗をなくすことを目的とした従来の安全マネジメントⅠ
個人の失敗の原因を探すのではなく,チームでの成功のメカニズムに目を向けるSafety-IIのアプローチ、擾乱と制約の中で物事がうまく行われることを目的としたアプローチ
チームを構成要素に分解し、失敗したのはだれかを特定し、一連の行為をスナップショット静止画的にとらえ、原因と結果を単純な因果関係、リニアモデルで説明する。この監護管理では知識や技術不足ばかりを問題視してしまい、指摘された方も苦しくなるばかり。Ⅱでは失敗も成功も同じように起こるととらえ、ミクロとマクロの両方を行き来しながら全体を見る必要が生じるため、大人数が日々複雑に動く看護現場にマッチした。同じ事象でも違う景色が見えるかもしれない。それを見ようと。時間軸と空間軸を少し広めてみると新人が失敗しないかと一挙手一投足を注目するばかりでなく、周りのスタッフとのかかわりなどが影響していることがわかるもの。ちょっとした見方の違いで成功事例に変換できる端緒となり、あたらなインシデントを防ぐサポートにつながる。マニュアルやガイドラインのように決められた頭の中での仕事の進め方WAI 状況やリソースに合わせたパフォーマンスとなる実施の仕事のなされ方WAD 複雑なシステムには両者のギャップがすくなからず存在している点に着目。業務のプロセスをひとつずつ分析するプロセスが不可欠。医療安全にとどまらず、多職種によるタスク・シャアリングの推進においてもWAIWADの手法が突破口になる
組織としての総合力
現場の自律的活動を促すリーダーシップと明確なメッセージ、境界を超えて共同することと心理的安全性の重要性。物事を広く俯瞰する鳥の目 日常業務を対象としてシステムを広く見て相互作用を理解し、WAIWADのギャップが小さくなるような方策を講じること。

COVID19に対して
①優先順位を明確に示すこと
②情報を集めてコミュケーションを円滑にすること
③院内の感染防御に万全を尽くすこと。
中央制御で細かい指示であれこれしなくても、行動のための目標と情報とシンプルルールがあればうまくいく。経験と正解のない中での不安。不安との戦いが大きな課題。危機の時に自分たちの領域から境界を飛び越えるにはどうしても心理的不安を覚えるもの。部署と自分を守りたい 感染防御策が普段より一段高いレベルで必要。

新しいチームを形成して事に当たるためには,自分の部署の境界(boundary)を越えなければなりませんが,そのためにはチームメンバーの心理的安全(psychological safety)が不可欠だと言われています。「職員を感染から守る」という後藤先生の方針は,物理的安全(感染しないこと)の確保にとどまらず,病院に大切にされているという職員の安心感や士気の向上につながったのではないでしょうか。

Safety-IIを実践する3つの視点

 

 

 

後藤 レジリエント・ヘルスケアを安全管理に取り入れる際の有用な方法に,「頭の中で考える仕事のなされ方(Work-As-Imagined:WAI)」と「実際の仕事のなされ方(Work-As-Done:WAD)」の理解があります。WAIはマニュアルやガイドラインのような決められた型,一方のWADは,状況やリソースに合わせたパフォーマンスを指します。複雑なシステムには両者のギャップが少なからず存在している点に着目しなければなりません。その理解には,中島先生が挙げたように業務の小さなステップを一つずつ分析するプロセスが不可欠になります。医療安全管理にとどまらず,働き方改革の一環で多職種によるタスク・シェアリングの推進においても,WAI/WADの手法が突破口になるとみています。

中島 和江 レジリエント・ヘルスケア

失敗をなくすことを目的とした従来の安全マネジメントⅠ
個人の失敗の原因を探すのではなく,チームでの成功のメカニズムに目を向けるSafety-IIのアプローチ、擾乱と制約の中で物事がうまく行われることを目的としたアプローチ
チームを構成要素に分解し、失敗したのはだれかを特定し、一連の行為をスナップショット静止画的にとらえ、原因と結果を単純な因果関係、リニアモデルで説明する。この監護管理では知識や技術不足ばかりを問題視してしまい、指摘された方も苦しくなるばかり。Ⅱでは失敗も成功も同じように起こるととらえ、ミクロとマクロの両方を行き来しながら全体を見る必要が生じるため、大人数が日々複雑に動く看護現場にマッチした。同じ事象でも違う景色が見えるかもしれない。それを見ようと。時間軸と空間軸を少し広めてみると新人が失敗しないかと一挙手一投足を注目するばかりでなく、周りのスタッフとのかかわりなどが影響していることがわかるもの。ちょっとした見方の違いで成功事例に変換できる端緒となり、あたらなインシデントを防ぐサポートにつながる。マニュアルやガイドラインのように決められた頭の中での仕事の進め方WAI 状況やリソースに合わせたパフォーマンスとなる実施の仕事のなされ方WAD 複雑なシステムには両者のギャップがすくなからず存在している点に着目。業務のプロセスをひとつずつ分析するプロセスが不可欠。医療安全にとどまらず、多職種によるタスク・シャアリングの推進においてもWAIWADの手法が突破口になる
組織としての総合力
現場の自律的活動を促すリーダーシップと明確なメッセージ、境界を超えて共同することと心理的安全性の重要性。物事を広く俯瞰する鳥の目 日常業務を対象としてシステムを広く見て相互作用を理解し、WAIWADのギャップが小さくなるような方策を講じること。

COVID19に対して
①優先順位を明確に示すこと
②情報を集めてコミュケーションを円滑にすること
③院内の感染防御に万全を尽くすこと。
中央制御で細かい指示であれこれしなくても、行動のための目標と情報とシンプルルールがあればうまくいく。経験と正解のない中での不安。不安との戦いが大きな課題。危機の時に自分たちの領域から境界を飛び越えるにはどうしても心理的不安を覚えるもの。部署と自分を守りたい 感染防御策が普段より一段高いレベルで必要。

新しいチームを形成して事に当たるためには,自分の部署の境界(boundary)を越えなければなりませんが,そのためにはチームメンバーの心理的安全(psychological safety)が不可欠だと言われています。「職員を感染から守る」という後藤先生の方針は,物理的安全(感染しないこと)の確保にとどまらず,病院に大切にされているという職員の安心感や士気の向上につながったのではないでしょうか。

Safety-IIを実践する3つの視点

 

後藤 レジリエント・ヘルスケアを安全管理に取り入れる際の有用な方法に,「頭の中で考える仕事のなされ方(Work-As-Imagined:WAI)」と「実際の仕事のなされ方(Work-As-Done:WAD)」の理解があります。WAIはマニュアルやガイドラインのような決められた型,一方のWADは,状況やリソースに合わせたパフォーマンスを指します。複雑なシステムには両者のギャップが少なからず存在している点に着目しなければなりません。その理解には,中島先生が挙げたように業務の小さなステップを一つずつ分析するプロセスが不可欠になります。医療安全管理にとどまらず,働き方改革の一環で多職種によるタスク・シェアリングの推進においても,WAI/WADの手法が突破口になるとみています。

中島 和江 レジリエント・ヘルスケア

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